第131回 健康歩こう会(平成23年4月16日)

八王子の絹の道 [シルクロード]

寄稿: 成 井 実

3.11の東日本大震災で、社友会活動にも大きな影響が出ました。強い余震が連日のように続き、計画停電も加わって交通網の混乱が予想されるため、わが歩こう会を含め、地震以降の同好会3月例会はすべて中止となりました。

さて新年度の第1回は東京西郊の八王子。幕末から明治の初め、上州や信州、甲州などから運ばれてくる生糸を集め、開港されたばかりの横浜へ運ぶ「絹の道」を辿ってみようという計画です。
初夏を思わせるこの日、昼前におきた強い余震でちょっと出鼻をくじかれた形でしたが、それでもJR横浜線の片倉駅に51名が集まりました。
「片倉城址公園」

まず向かったのは、駅のすぐ西側にある中世の山城の遺構「片倉城跡公園」。長崎平和祈念像で知られる、日本彫刻界の巨匠北村西望氏の作品をはじめ数々の彫刻、カワセミの姿がいつも見られる池や菖蒲園、片倉の地名の由来ともなったカタクリの群生地など、変化に富んだ憩いの場です。地震の影響で遅れた人たちともここで合流、本丸跡まで急坂を上ってまず最初のひと汗をかきました。

ここから駅の南側へ出て住宅街を一路南へ2キロほど。ただしここも延々と続く登り道、ようやく次の目的地大塚山公園に到着、さらに公園の一段高い場所にあり、かつては生糸商人たちで栄えた「道了堂」への長い長い石段で息が切れました。
「絹の道」 息が収まったところでようやく「絹の道」らしい旧道へ。宅地開発の波を食い止めて八王子市が史跡指定、元の姿を守っている無舗装の道です。緑のトンネルのように雑木林や竹林が左右の視界を遮り、まるで別世界。今までの上り坂から一転して約1.5キロの緩やかな下り坂。生糸を満載した荷車が次々と下って行った当時の様子が目に浮かびます。

坂を下りきったところが鑓水(やりみず)地区。生糸を扱う商人たちが豪邸を競って構えたところとか。その豪邸の跡の一つに建てられた「絹の道資料館」に当時の生糸産業の隆盛ぶりが残されていました。

豪邸といえば、すぐ近くにある「永泉寺」。お寺の建築としては一風変わった趣ですがが、実は生糸商人八木下要右衛門の屋敷であったもの。明治17年に寺の本堂が火事で焼けたため、現在「絹の道資料館」が建つ敷地に残されていた八木下家の母屋を移築して本堂にしたものでした。
「小泉家住宅」さらにその先には東京都の有形民俗文化財に指定されている「小泉家」。ここは茅葺入母屋造りで多摩地区の典型的な農家で,今も小泉さんが住んでおられ、ふつうは非公開ですが、親切に戸をあけて中を見せてくださいました。
立ち寄り場所はこれでおしまい。後はまた住宅街をひたすら歩いて「京王線南大沢駅」への帰路となります。住宅地といってもここは多摩ニュータウンの最新の一角。さまざまなデザインのマンションと、角々にコミュニティ広場や小公園が配置されたニュータウン中のニュータウン。規格品のいわゆる団地とは全く風景が違います。住んでいる人たちのセンスの新しさまではわかりませんが…。

若い人たちで賑わうアウトレットパークを横目に南大沢駅に到着。例によって居酒屋での懇親会、大汗で流した水分をしっかり補ったひと時でした。

戻 る